昨日は「大心茶会」。もうかれこれ10年以上平戸では大茶会なるものが毎年このおくんちの時期に開催されますが、これまでの「三心茶会」の名前を改め今年から「大心茶会」となりました。

主催はもちろん平戸藩創始の武家茶鎮信流ですが、表千家さんも薄茶席を、江戸千家さんが受付などを担当していただいてたいそう賑やかな茶会です。
鎮信流宗家が800年以上前の平戸と栄西禅師との重要な歴史をもう一度見直す意味を込め、栄西の言葉「大心ー大いなるかな心や」を引用して茶会の名前にされました。
栄西が宋の国で禅の修行をした帰りに辿り着いた平戸に茶の種をまいたことから、平戸に茶が最初に入ってきたと言われています。その冨春庵という茶畑の大きな石の上で栄西が座禅を組みました。茶会の主菓子はその「座禅石」という御銘でした。
宗家自らが菓子を型どられたそうです。マーブルっぽい茶色と白の餡でした。
濃茶席にはその主菓子と大徳寺の江雪和尚が鎮信公に宛てて書かれた「大心」という掛け軸が掛けられていました。
また、今年開館したばかりのオランダ商館は立礼席の会場となり、天井までも届こうかというくらい大きな展示ショーケースが床飾りに変身。ショーケースに飾られた軸と花が堂々たるディスプレイとなり、しつらえのセンスの良さに脱帽いたしました。コの字に並べられたテーブルにアンティークな椅子がまるで400年前の商館での会議の場面のようで古今東西入り混じったしつらえはどこの茶会でもお目にかかれないものに思えました。平戸の持つ歴史のなせる技は現代の隅々に散りばめられることができる可能性のようなものを感じました。

お正客になられた表千家の先生が「しあわせです。」を連呼なさっていましたが、共にそのように感じることができ嬉しかったです。
また来年の趣向を楽しみに精進したいと思います。