10月31日の夕方二人のオランダ人彫刻家が平戸入りしてこの一週間というもの目まぐるしかった。
到着の翌日二人が通訳を伴って現れて「私達いったいどうしたらいいの?」という問に、後先考えず彼らと飛び出した。
アトリエ、石、鉄廃材の調達に奔走。「言葉に尽くせない」という言葉があるけれど暗くなるまで半日探し回る間、どれだけの人の親切に出会ったか。
400年前もきっとこうやって異人さんと平戸の人は助け合って暮らしていたのだろうとついつい想像してしまう。
石の彫刻家イダはこれまでの12xおらんだの参加者の中でダントツ平戸人との交流がうまい。
商店街のどの店にも顔を出し、オランダから来たイダだと12xのチラシを見せて自己紹介して回っているようだ。毎晩立ち寄る蕎麦屋のおばさんとは大の仲良し。ゼロが3つ付く高額商品はしっかり値切っている模様。
明るく賑やかな性格だけど、この日出づる極東の暮らしに一人になった時はどれだけ不安で寂しいだろうとこちらまで切なくなる。