ブロンズ彫刻家のアネケは細やかな線で作品を作る。線と空間を大事にする芸術だ。彼女は同じく線と空間が命の生け花に興味があり、お花のお稽古に通っている。最初に先生を訪れた時は色づいたイチョウの葉と風化してしまった木の根っ子をおみやげに。先生のうちにあがると先生も流木や竹を利用していろいろな作品を作っているのでとても興味津々だったそうだ。生け花二回目の今日は廃墟のアトリエで拾った1mを越す流木をおみやげに。きっと生け花以外の共通の趣味で話がまた盛り上がったに違いない。
一方、石の彫刻家イダは平戸のロイヤルファミリーからディナーのお誘いを受け、4時間も盛り上がったお陰でいたく茶道に傾注。ぜひ、茶道を体験してみたいというので急遽茶道レッスンをすることに。あこがれのキングやクィーンのお宅でやるのね、と待ち遠しくてたまらないもよう。
彼らと出会って「石、スキン、茶」のコラボを考えているのよ。本にしようかと思っている。」と言うので「えー?いまいち理解できん!」と答えると実は私もわからない!!のだそうだ。取り敢えず、オランダに帰るまで彼女のイマジネーションが冷めないようにしないと、おもしろいものが見れませんね。
商館前を歩いていたら道の反対側を白人の若い、しかもイケメンの旅行者らしき若者が二人歩いていた。イダが指さして「男だ」というので「声掛けてみたら?」と挑発してみたけれど、首をふるばかり。喉から手が出るほど声を掛けたかったのはこの私なのだが、イダが声をかけないのに私がかけるわけにもいかないと変な節操が働き声をかけなかったことがいまだに悔やまれる。