強力な雨女が二人もいたにもかかわらず、用意した雨具にお世話になることは一度もなかった。それどころか、二日目からは30度を越す酷暑。ホテルには冷房がないのでオランダ版熱帯夜を経験することに。
4日目の朝はハーグの国立公文書館を視察。ここでは普段は立ち入ることができない18度に温度管理された書庫に案内され、オランダが東インド会社を設立していいと許可した文書や、天下の朱印状、当時の平戸地図などをこの目で見させていただいた。400年前のものがよくもこのように傷みのない状態で保存されていたものだと感心する。シーボルト館では将軍に献上された平戸焼やシーボルトが命名したウチワエビの剥製があった。シーボルトが命名しなくともウチワエビはウチワエビだったような気がするが、シーボルトがそういんならそうでしょう。
夕方から始まる平戸少年サッカー選抜チーム対ノートワイケルハウト市のVVSBの親善試合の前に少し空き時間があった。ホテルからノートワイケルハウトの商店街まで遊びに行くことに。仲間たちはすいすいと自転車で出かけたがママチャリがないので私は一人歩いて行くことに。ホテルの道から幹線道路に出るとあれ、路肩がない!路肩の代わりに草むらがあるのでその上を歩いていたが、オランダだからヘビはでないっしょと思いながらも対抗してくる車のスピードに圧倒され、やはりここは歩く所でないことがわかる。土手に降りて畑を歩こうかとも考えたがどこまで続いているかもわからない。車のクラクションは鳴るし、私はとんでもないことをしているのがよーくわかった。反対側に目を向けると木々の隙間から自転車が走るのが見えた。「あっちだ」車が来ないのを確認して道路を横断、土手を降りて自転車道にたどり着いた。しかし、オランダは車道と自転車道しかないことに改めて気付かされた。この後運良くガイドさんが自転車で追っかけてきてくれたので無事街ブラでき、にしんも食べ快適な自転車の旅を終えることができた。
さあ、サッカーの応援に行く時間だ。我々訪問団はクラブハウスへ出かけた。チームはVVSBの方が1学年上だし、巨人の国オランダと小人の国日本くらいの差があるのだから、子供達の体格も歴然と差が出る。にもかかわらず、5-2の敢闘。よくやった!この間ハイネッケン3本飲み干す。
試合が終わるとやおら男性陣がバーベキューの準備を始める。それをゆっくりアルコールを飲みながら待つ。試合が終わったのは夜の7時だったけど真っ昼間だもんね。夜が長い長い。さあいよいよ宴も終わりに近づいた頃、NPO平戸・ノートワイケルハウト交流会の会長マルタインが「僕ホストファミリーにお礼を言いたいんだけど、君も言いたい?」と訊いてくる。そういう聞き方すれば「Yes」でしょう。促されるままに待機していると、万歳三唱の音頭を取ることになったのである。日本だったら、ここはサッカー関係者とか地位のある人になるんだけどね。訪問団のみなさんごめんなさい、一番良いところやらさせていただきます。
その夜は延々3時までサッカー関係者の飲み会が続いたそうな。